二酸化炭素計測(コロナ対策)
新型コロナの感染が始まった2020年の年末、二酸化炭素濃度を用いて人の密集度を確認するという手法が考え出されていました。
当社でも換気状況の確認として二酸化炭素濃度の見える化と履歴の保存に着手し二酸化炭素を検知する「炭検くん」と命名。
親機にはRaspberry Pi 4B、子機にはRaspberry Pi Zero WHを使用し、子機で計測した値をWifi経由で親機のデータベースに書き込み表示を行いました。
開発者の性質として計測したデータはとりあえず表示してみたいと思うもので最初は上のように表示をしていました。
それに対する社内からの反応は「グラフが重なっていてどれがどこなのかよくわからない」というものでした。
また、ラズパイを使用したため温度センサの配線がCPUの排熱を拾ってしまいケースに入れると室温よりかなり高い温度が計測されてしまうという問題も発生。
そこで子機と温度センサーを100円ショップに売っているプラケースに収め内部を仕切りで分離した上で排熱用のファンを取り付け、温度が高く計測されてしまう症状は解決。
次に出た意見は100円ショップのプラケースを加工したため見た目が安っぽい、手作り感が強いというものでした。
角張ったものより丸いもののほうが高級感がある、白を基調にしたほうがインテリア感があるという意見より同じ100円ショップ商品ですがスマートホンの音量を拡大するスタンドの内部に子機を仕込み白いボディの内部から計測状況を表示する緑、赤の2色ランプを光らせるという方向で検討。
PWM制御により緑、赤の明るさを変えることにより黄色、橙色も表示可能。
また、スピーカーを搭載することにより二酸化炭素濃度が一定以上になったときに音声アナウンス。
ケースにランプ表示があるとは言え業務中は注視しないもので、音声により換気が必要なときに気が付きやすいようになりました。
社内への配置イメージは上記のような感じ。かなり広い部屋でも同一空間では二酸化炭素濃度が近い値になるようなので基本的に1室に1箇所の配置として社内に9箇所配置しています。
そのような社内からのいろいろな意見により現在に至っています。
親機の表示は上のように社内レイアウトに合わせた色ランプで現在の温度と二酸化炭素を表示、二酸化炭素のみグラフで時系列を表示としています。
また、表示ソフトは親機にサーバーを立てているため、社内のPCであればどこからでも閲覧可能です。
当社、展示エリアではサブ表示としてjetson nanoにより表示を行っていますので来社された際にはご確認ください。
jetson nanoでの表示は下記のようになっています。
機器以外の問題では冬場に灯油ストーブ(ファンヒーター)を使うと二酸化炭素濃度が1600ppm付近まで上がってしまうというものがあります。
建築基準法による二酸化炭素濃度の正常値が1000ppm以下と定められているのでこの値自体に問題があることも確かですが人の密集度確認としての基準がずれてしまう問題は残っています。